DrupalCon Denver での概況プレゼンで、僕は Drupal のオーサリング エクスペリエンス（ユーザーエクスペリエンスと同じく、オーサリングする場合の認知体験）に強く集中する必要性を告知した。そして、その週に催された僕のコア カンバセーションでは「Spark」（旧コードネーム「Phoenix」）という Drupal 7 ディストリビューションの作成を発表した。Spark が目指しているのは、Drupal 8 におけるオーサリング エクスペリエンス向上のために現場でテストできるインキュベーター（正式にリリースできるまでの育成プロジェクト。ウィキペディアの解説はこちら）としての役割を果たすことだ。
僕は Spark が、最先端のインターフェース デザインを試作するための「安全なスペース」になってくれたらと願っている。それは商業的な代替製品でのエクスペリエンスに匹敵するすばらしいコンテンツ ツールを作るためのスペースでもある。以下は最終的なリストではなく、僕たちが実験してみたい機能群に関する初期段階のアイディアをまとめてみたものだ。
- インラインの編集およびドラッグアンドドロップによるコンテンツ レイアウトのツール（“本当の”WYSIWYG）
- コンテンツ作成機能の拡張：自動保存、下書きとして保存、など。
- コンテンツ作成者に役立つダッシュボード
- モバイル コンテンツのオーサリングと管理に対するサポート機能
Spark ディストリビューションの背後にある展望は「Drupal オーサリング エクスペリエンスの Pressflow」であることだ（Pressflow は Drupal のディストリビューション）。Pressflow は Drupal 6 にさまざまなパフォーマンス強化を施した一杯の“スプーン”をもたらしてくれた。その強化は開発中だった Drupal 7 のコアに採り入れられたものだが、Pressflow ではそれと同じ改良を Drupal 6 ユーザーにも利用できるようにしたので、たやすく現場でテストしてみることができた。Spark では、Drupal 7 のオーサリング エクスペリエンスの改良状況をテストしたいと思っている。本物のユーザーと本物のコンテンツを備えた本物のサイトでだ。Drupal 8 に最高の改良を採り入れることも目標にしたい。
これはワクワクする発表だ。Acquia は Spark ディストリビューション（の開発）に資金を提供する。二人のコア開発者、ガボール ホイツィ（Gábor Hojtsy）とウィム リーアズ（Wim Leers）が 5 月下旬からフルタイムで Spark に取り組むことになっている。彼らはアンジー バイロン（Angie Byron (webchick)）、アレックス ブロンステイン（Alex Bronstein (effulgentsia)）、僕、そして他の Acquia メンバーと共に作業を進めていく予定だ。現時点でも有望な候補がすでに何名かいるが、Acquia は まだ Spark チームへの参加志願者を募集中だ（ボストン地域に在住またはボストン地域に転居する意思のある候補者をできるだけ優先）。
- Drupal UX インタラクション デザイナー：最先端のインターフェース デザインのコンセプトを具体化し、プロトタイプを作成できる人材
- シニア フロントエンド エンジニア：JavaScript および jQuery を食べて寝て呼吸している人材（要するに jQuery のギーク）（Drupal の経験は適宜（必須ではない））。
Spark チームは Drupal ユーザビリティー チームおよびコア開発チームと共同で作業を進めていくことになるだろう。