Drupal 8 における設定マネージメント

2011 年 3 月 28 日 - 13:18 -- ドリース バイテルト

シカゴで開催された DrupalCon の基調講演で、僕は Drupal 8 のコア(の開発)において注力すべきだと思う「キー イニシアチブ」(分野ごとの作業グループ)について話した。その1つが「設定マネージメントconfiguration management」だ。

「設定マネージメント」とはなんだか漠然とした用語だと感じる人もいるだろう。これは要するに設定の変更を取り扱う仕組みを指す。Web サイトの所有者はよく、構成や設定を目に見える形で詳しく確認したり細かく調整したりしたいと思うものだ。その目的は、Web サイトのライフサイクル全体を通して完全性と追跡可能性を保ち続けることにある(Web サイトを構築してから閉鎖するまで、サイト全体が適切に機能していること、トラブルの可能性および原因を追跡調査できること、という2点を保持すること)。たとえば、サイト作成者たちが製作環境を変更できないようにサイトの設定をロックしたいこともあるだろう。サイト A に対する一連の設定変更をサイト B に対して自動的に適用するツール群が欲しいと思うこともあるだろう。変更内容をまとめて元に戻したい(ロールバックしたい)こともあるだろう。時間をさかのぼって、いつ、誰が、どんな変更をしたのかチェックしたいこともあるだろう。それは、よりよいステージングへの道を開くことにもなる。サイト所有者のなかには、ユーザーが作成したコンテンツを自分たちの開発環境に取り込んで、新しくできたコンテンツをその製作(サイト)に戻したいという人たちもいる。

上述した点をすべて、時代に合ったスマートなやり方でかなえるには、Drupal をいろいろと変更する必要がある。その変更に取り組むことが、Drupal 8 の「設定マネージメント」イニシアチブ(の担当分野)に含まれる見込みだ。

グレッグ ダンラップGreg Dunlapとデイビッド ストロースDavid Strauss

同じくシカゴの DrupalCon での基調講演で、僕は Drupal 開発プロセスの変更に関する概略を説明した。Drupal 8 の各イニシアチブには「イニシアチブ オーナー(Initiative Owner)」を設けることにする。各オーナーは、プロジェクト マネージャーとテクニカル リード(リーダー)のうち、どちらかまたは両方を務め、僕に(状況を)報告することになる。

僕は今日、Drupal 8(プロジェクト)で最初のイニシアチブ オーナーを発表することにワクワクしている。いろいろな人々とあれこれやりとりしたり、直接会って話をしたりした結果、こう決めた:グレッグ ダンラップ(drupal.org では heyrocker のハンドル名で知られている)に Drupal 8「設定マネージメントConfiguration Management」イニシアチブを率いる任務を負ってもらうことにする。グレッグは「設定マネージメント」というトピックに関して情熱的であると同時に広い知識も持ち合わせている。しかし、それだけではない。彼の雇用主である NodeOne 社は、寛大なことに、グレッグが勤務時間の半分をこの任務に充ててよいと申し出てくれたのだ。

僕はまた、デイビッド ストロースに対して「設定マネージメント」イニシアチブの「アーキテクチャー監視役architecture gatekeeper」になってくれるよう依頼した。アーキテクチャーの選択と API の設計に関しては(今後)彼の承認を受ける必要がある。グレッグと同様、デイビッドもエバンジェリストとして(Drupal)コアの設定マネージメントを向上させようと努めてきた。グレッグとデイビッドの2人が満足できる実装内容なら、Drupal 8 コアに取り入れることを僕も検討するつもりだ。

詳細についてはグレッグのブログでの発表記事を参照されたい。または、設計ディスカッションdesign discussionsに参加されれば、なおいい。

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