Drupal + インド = 好機

2011 年 11 月 16 日 - 04:07 -- ドリース バイテルト

インドに 10 億人の人間がいて、そのうちの多くが優秀なエンジニアだとしたら、そこで Drupal が本格的に人々を引き寄せたらどうなるかは(漠然と)想像するしかない。その程度(の状態)で僕はインドに旅行することを決めた。そして、Acquia のジェイコブ スィンJacob Singhロン プルエットRon Pruettと共に先週はインドで過ごした。旅行の目的はインドにおける Drupal の認知度を高めることだ。そのため、次に挙げる3つの方法を考えた。

  • DrupalCamp を組織して、ボランティア開発者、フリーランサー、中小 Drupal 業者から成り立つ「草の根コミュニティー」ができるのを支援する(ボトムアップ戦略)。
  • 数百名の Drupal 開発者を雇用する大規模システム統合組織と話し合う(トップダウン戦略)。
  • マスメディアや報道機関を使って従来型の PR を行う。

僕たちは複数の Acquia パートナー企業と共に3つの DrupalCamp を組織(開催)した。デリーでは 300 人近く、ムンバイは 200 人、ハイデラバードでは 350 人が会場を訪れた。それらに加えて4つ目の基調講演として、インドでトップのビジネス スクール ISBThe Indian School of Businessでもスピーチをした。そこでは 150 名の参加者があった。これらのイベントすべてで、参加者数は当初の予想を上回っていた。さらに重要なのは、これが意味すること、つまり、インドだけでも何千人という Drupal 開発者がいるに違いないということだ。特に、僕たちがバンガロー、プネー、チェンナイなど、他の大きな町を訪れなかったことを考えればなおさらだ。

DrupalCamp デッカン の登録受付

DrupalCamp デッカン の登録受付

さらに、僕たちはインド国内のさまざまな大規模システム統合組織と面談した。Accenture、Capgemini、Wipro、Virtusa、Cognizant などだ。これらはどれも数十億ドル(数千億円)規模の IT サービス企業であり、(それぞれが)何千人ものエンジニアをインド国内で雇用している。また、これらの企業のほとんどはコンテンツ マネージメント業務だけに千人以上の社員を抱えている。多くは Vignette、Liferay、Adobe CQ5、OpenText、Alfresco を使っている。大規模システム統合組織にとって Joomla! や WordPress は存在しない(最初から考慮の対象にならない)ようだったが、みんな熱心に Drupal 業務の構築を始めていた。彼らの Drupal チームのサイズは Drupal 人員Drupal peopleが 30 ~ 120 名という範囲で、いずれも月に 5 ~ 15 名の新しい人員を採用しようとしていた。みんな、Drupal に関してかなり前向きで、各国にいる自社のクライアントたちから直接、Drupal に関することを聞いていた。

全般的に見れば、北アメリカやヨーロッパの Drupal コミュニティーよりも3、4年ほど遅れているといったところだが、彼らは急速に追い上げている。世界最大級の Drupal プロジェクトの多くがインド発になるまでにはそう長くはかからないだろう。

(驚いて)耳をそばだてて話を聞いたことが何度もあった。アメリカかヨーロッパで開発されたのだろうと僕たちが思っていた有名な Drupal サイトが(実は)主にインドから納入されていたと知ったときだ。それだけではない。そのインドのチームはセールス、プリセールス(プレセールス。解説はこちらのプロセスにも一役買っていたことがわかったのだ。相手の国や業界に関係なく、クライアントの CMS プラットフォームを決定するのは彼ら(インドの業者)であることが多い。言い換えれば、多くの決定がインドで下されているわけだから、戦略的に重要なのは、その(インドの)大規模システム統合組織が Drupal をよく理解していることだ。彼ら自身も自らの成功のためには Drupal を理解することが大事だと認識している。そのため、みんな、キャパシティーを増やし、現在の社内チームの専門的スキルを増強するため、トレーニングに投資したがっている。

DrupalCamp デッカンの参加者たち

DrupalCamp デッカンの参加者たち

興味深いことに、インドの文化は世界中のどこよりもソフトウェア トレーニングや職業的な資格証明が大好きだ。大小を問わず、すべての Drupal 企業がトレーニングや職業的な資格証明を求めて尋ねてきた。

もう一つのハイライトは、DrupalCamp ニューデリーにおいて、デリー市内の Drupal 企業 15 社が初めて顔を合わせたことだ。その日はそのあと、Drupal エグゼクティブ(Drupal 企業の経営者や管理職)を対象とした(インドで)初めての CXO イベントをオーガナイズするのに協力した。多くの意味でこれらは(組織やつながりを)形成していくミーティングであり、僕は初期の DrupalCon の集まりを思い出した。初めて、彼らは知り合い、協力し合う方法を探り、ベストな実践スキル(ノウハウ)を共有し始めた。また、専門化(特殊化)という発想を漠然と考えるようになった。僕は前にこの映画を観たことがある(こういう筋書きをたどった経験がある)。だから、情熱的な開発者たちのコミュニティーが協力して作業し始めるとどんなことが起こるかわかっている。ワクワクするようなときがやってくるだろう。

(話の順序としては)最後になったが大事なことをもう1つ。僕は 15 回ほどインタビューを受け、その多くがインドの新聞か IT 雑誌の記事になった。

掲載された紙面

掲載された紙面

5日にわたる集中的な旅行、3つの都市における立て続けのミーティングを終え、僕は Drupal にとっての好機(チャンス)の大きさにワクワクしながらインドをあとにした。テクノロジー コミュニティーの大きさ、増大しているインドの影響力を把握することは不可能だ…インドへ行くことなしには。(各)地域の Drupal コミュニティーが発展していく様子によく注意を払うべき理由はたくさんある。僕は Drupal がインドで発展していくのを今回の旅行がさらに加速させたと信じたい。

この旅行は Acquia のパートナー(企業)の助力なしには不可能だっただろう。旅行が大成功に終わったのは、Azri SolutionsBlisstering そして Srijan が協力してくれたおかげだ。彼らに格別の謝意を表したい。

スケジュール

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