時々、Drupal コミュニティーに属する僕たちの多くが WordPress に意識を向けすぎている気がする。
先週、僕はヨーロッパで何度か Drupal のプレゼンテーションをした。その1つはデロイト(Deloitte)社が主催したもので、組織の意思決定者(幹部や部門責任者)たちを対象としたテクノロジー関連のイベント。もう1つは Drupal Gov Days だ(政府や自治体を対象とした Drupal カンファレンス。2011/04/07~04/09 にベルギーの首都ブリュッセルで開催)。また、Drupal の開発に携わる数々の会社や規模の大きい Drupal ユーザー(企業や団体)たちとも、いろいろなミーティングがあった。
ヨーロッパでは Drupal がものすごくホットだと感じながら帰途に就いた。多数の会社が SDL Tridion、Vignette、Sitecore、Polopoly などの企業向け CMS から Drupal へ移行している。それでも、状況によってはこうしたベンダーの製品が Drupal を制して売れることもある。僕たちが常に勝つとはかぎらない。ヨーロッパでは Typo3 や ezPublish など他のオープン ソース システムも Drupal と競合している。しかし、合衆国では実質、それらのシステムに出会うことはない。
これは重要な疑問を提起する。(Drupal)コミュニティーのなかで、SDL Tridion、EMC Documentum、Vignette、Sitecore、Open Text (RedDot)、Clickability、Autonomy Interwoven、EPiServer、Polopoly、あるいは FatWire をよく理解しているのは誰だろうか?コミュニティーのなかで「WordPress のことだったら何でも知っている」というのは誰か?その答えはこうだ。「そんなヤツはまず、いないだろう」。
WordPress から学べることはいくつもあるが、WordPress こそが(唯一の)ライバルだというわけではない。あなたが(Drupal で)自分の事業を築き上げ、Drupal(コミュニティー)にお返しもしたいのなら、(オープン ソースとは逆に)独占販売されている競合相手(商用 CMS)のいくつかについて学び、数々の大きな会社が Drupal に移行するのを助けてほしい。助けを求めている組織はたくさんあるし、そこで実際に収益をあげる見込みもある。その収益は、Drupal のユーザービリティー、多言語化(インターナショナリゼーション)能力やそうした他の分野を向上させるのに利用できる。
僕たちは WordPress から学ぶことができるし(実際に)学ぶべきだ。しかし、無防備な面ができないようにしよう。(これから)もっと多くの人々が(Drupal を)他の競合相手と比較し、(システム)移行の体験談を共有するようになるのを是非、見てみたいと思う。そうなれば、僕たちは全面的に学び、全面的に向上できるだろう。