シカゴで開催された DrupalCon の基調講演で、僕は Drupal 8 のコア(の開発)において注力すべきだと思う「キー イニシアチブ」(作業グループ)について話した。その1つが「Web サービス」だ。
将来、世の中のコンテンツ マネージメント システムは(今よりも)ずっと多くのデバイスに対してデータを出力し、より多くのシステムやサービスを統合する必要が出てくる。現在の Drupal は HTML の出力に最適化され、コア部分は昔ながらの XML-RPC バックエンドを備えた状態でリリースされている。もし、さまざまなデバイスと統合型サービスが数多(あまた)ひしめく世界においても人々が Drupal というプラットフォームを目指してくるようにしたいのなら、僕たちはこの点を根本的に変える必要がある。
Drupal 8「Web サービス」イニシアチブの目標は、XML や JSON や他の非 HTML 形式のデータも(HTML と)同じくらいうまく Drupal に出力させること。また、RESTful なインターフェースを通して Drupal の機能性を表に出すこと。そして、いろいろなデバイスに HTML ページを送る際、もっとさまざまなページ レイアウトに Drupal をうまく対応させることだ。
もちろん、HTML5 もこうした未来の大きな部分を占めるわけだが、そちらにはまた専用のイニシアチブを設けるつもりだ。両方の作業を別々の人たちが(大部分)並行して進めることは可能だと思う。HTML5 イニシアチブについてはまだ、いろいろな人たちと話をしているところだが、両方のグループを合わせれば、Drupal 8 で僕たちもかなりのポジションに就けるはずだ。
ラリー ガーフィールド
僕は Drupal 8 の「Web サービス」イニシアチブのオーナー(リーダー)をラリー ガーフィールド(Larry Garfield。ハンドル名:Crell)にすることに決めた。オーナーのラリーは、プロジェクト マネージャーとテクニカル リード(リーダー)のうち、どちらかまたは両方の役割を務めることになる。ラリーと僕は緊密に連携してアーキテクチャーと(それを実現するための)アプローチを具体的に決めていく予定だ。これは、細かい話し合いに僕自身がかかわる必要はないが、そのアプローチ(具体的な進め方)や実装は僕が承認しなくてはいけないということを意味する。
ラリーを選ぶのは言うまでもないことだった。その理由は二つある。まず、彼は
複雑な問題に取り組むことのできる、すばらしいアーキテクト(設計者)だということ。それは Drupal 7 のデータベース抽象化レイヤーの設計における彼の業績で証明された。次に、ラリーはこの分野に対してすでにさまざまな配慮をし、労力をたっぷりと注ぎ込んだということだ。
みんなのなかでも多くの人が知っているように、このイニシアチブは僕自身が個人的にも大切にしているものだ。僕はラリーが任務を必ずや見事に果たしてくれると信じている。詳細については、ラリーのブログでの発表記事を読むか、テクニカル カンバセーション(technical conversation)に参加されたい。