Drupal 8 フィーチャー フリーズ期間の拡張

2012 年 11 月 28 日 - 04:18 -- ドリース バイテルト

2011 年 3 月に Drupal 8 の開発が幕を開けて以来、Drupal コア チームは頑張ってきた。もうあと数日で、チームの目指してきたフィーチャー フリーズの 2012 年 12 月 1 日だ!

ここまでの期間に僕たちは強力な機能をいくつも首尾よく Drupal 8 に取り入れてきた:Symfony フレームワークに基づいてコア内部を刷新した。また、新しい設定マネージメント システム、HTML5 form 要素およびレスポンシブ マークアップ、モバイル フレンドリーな管理ツールバー、翻訳サポート機能の標準搭載、Twig ベースのテンプレート作成システム、Views モジュール、そして、外からは見えない無数の改善が施された。

Drupal コア キュー内の現在の勢いは本当に驚異的だ。次のグラフはそれを表している。

Drupal コアにおける月別パッチ量
Drupal コアを取り巻く勢いの増大。2011 年 3 月には月当たり 400 パッチの貢献があったが、2012 年 10 月には月当たり 4,000 を超えるまでに達した。

Drupal 8 には、かなり進展しているけれどもできあがってきてはいない素晴らしい機能がまだまだある。それは、ブロック アンド レイアウト、WYSIWYG、インライン編集、Date / Pathauto / Profile2 / Entity Reference といったいくつかの「コアに取り込む拡張モジュール」プロジェクト、ネイティブの Web サービス対応機能、エンティティーおよびフィールドのシステム改良などなどだ。キュー内で今、みんながものすごく頑張っているのを目の当たりにして僕は本当に感動している。

こうした数々の要因を考慮して、僕は ―― Drupal 8 コーメンテナーであるキャッチポールとアンジェラ バイロンと共に ―― Drupal コア開発サイクルに新しい段階(期間)を導入することを決めた。それは「フィーチャー完成段階Feature Completion Phase」で、その期間は 2012 年 12 月 1 日から 2013 年 2 月 18 日DrupalCon Sydney の開催に合わせるため)とする。

この段階の目的は、残っているこまごまとしたことを片付けるために専用の期間を設けることだ。それは、すでに取り入れられた機能に対しても、まだキューに入っているが 12 月 1 日よりも前に根本的な進展が認められ、まだ仕上がってきていない機能に対しても当てはまる。杓子定規に「根本的な進展」を定義するのは難しいが、これは一般的にいえば次のようなことを意味する:パッチがうまく進んでいること、最新のパッチは過去 2 週間の間に投稿されていること、理想的にはコミュニティーにおいてレビューが複数あり、いくつかのテストを通っているか、もう少しで通る見込みがあること、また、フィーチャー完成段階の期限内にその機能を完成させるために明確な道筋(プラン)があること。(だから)ほぼ正しく動くパッチを初めて 11 月 30 日の午後 11 時 59 分に投稿しても、残念ながらうまくいかないだろう(^-^)。また、12 月 2 日以降になってまた新たなイニシアチブが立ち上げられる見込みもない。ただ、最終的にはどんな「ボーダーライン」の問題でも決定はコア コミッターたちに委ねられることになるだろう。何が「フィーチャー」(主な特徴や機能)に含まれ、何が含まれないのかという点に関してはあいまいなところがあるのは僕たちもわかっている。それを検討するため、また別のブログ記事を書くつもりだ。

この新しいリリース段階で期待できるのは、まず、さまざまな戦略的イニシアチブに一生懸命、取り組んでいる人々に対して自分たちの仕事を完成させる時間をもう少し与えられること。そして、全体的な開発作業の範囲を絞り、Drupal 8 のリリース準備を始めるのにつれて、もっと一つのチームとして集中するのにも役立つということだ。

次の図は Drupal コア リリース サイクルの全体像と、その中におけるフィーチャー完成段階の位置を示している。イニシアチブ オーナーなど、自分の Drupal 8 フィーチャー目標をすでに達成した人には、フィーチャー完成段階を利用してクリーンアップ段階のタスクを早く始めることをお勧めする。

リリースの漏斗(じょうご)
受け付けるパッチが次第に減っていく様子を先が細くなっていく漏斗(逆三角形)で表した開発の諸段階(のイメージ)。開発段階では主要な新規 API や新しい機能など何でもいける。フィーチャー完成段階ではすでに取り入れた機能や顕著に進展している機能のこまごまとした案件を片付けることができる。クリーンアップ段階は安定化、一貫性の向上、そして新しい API への切り替え完了のためにある。磨き上げ段階Polish Phaseではフォーカスをアップグレード パス、パフォーマンスの最適化、ドキュメンテーションの改善に向ける。最後にリリース段階の間はリリース(できるようになる)まで重大なバグに食らいつく!

もちろん、Drupal 8 のフィーチャー群を完成させる時間を増やせば、リリース タイムラインの残り期間に影響を与えないわけにはいかない。だからコード フリーズも 3 カ月先の 2012 年 7 月 1 日に移そうと思う。Drupal 8 はリリースの是非にかかわる重大な問題がなくなった時点でリリースされる予定だ。

960 人を超える Drupal 8 コントリビューターたちの一人一人に対して、これまでの驚くような努力のすべてにありがとうと言いたい。そのすばらしい作業をそのまま続けてほしい!

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