Acquia が Cyrve と GVS を買収した理由

2011 年 9 月 9 日 - 20:38 -- ドリース バイテルト

このブログを読んでいる人なら、Acquia が2つの Drupal 企業を買収したことを(すでにどこかで)読んだかもしれない。その企業とは、セキュリティー スペシャリストの Growing Venture Solutions とミグレーション(システム移行)エキスパートの Cyrve だ。僕たちがこの買収を行いたかったのは、それが「ウィン・ウィン・ウィン」の(三方の当事者たちのいずれにもプラスとなる)状況を生み出すからだ。つまり、Drupal コミュニティーにも、僕たちの(企業)パートナーたちにも、そして顧客のみなさんにも利益をもたらすということだ。僕はこれらの買収を個人的にも支持し、リードしたので、以下、少し時間を割いてその理由を説明したい。

買収が Drupal に与える影響

これらの買収は Drupal の利益になると僕は信じている。というのも、到達範囲(利用者の範囲)が広がるからだ。(Vignette、RedDot、Interwoven などの)これまで受け継がれてきたシステムおよび(Jive Software、Adobe CQ5、Sitecore などの)高価な企業向けソリューションから Drupal への移行。これは Drupal にとって最大の好機とまではいかないにしても、好機としては最大クラスにあたる。僕の願いは、Cyrve を買収して拡大することで、より多くのプロジェクトが Drupal にもたらされるようになることだ。それによってサイト構築の仕事や拡張モジュールのパッチが増えるだろう。また、自分たちの手がけた Drupal の成功事例について話す人々(クチコミ)が増えることにもなるだろう。

同様に、Acquia が GVS に参画することで GVS は必要なリソース(人的、資金的な資源)を得る。そのリソースを使って GVS は新しいセキュリティー イニシアチブを推し進めることができる。それによって、Drupal は誰にとってもより魅力的になるだろう。これまでずっとそうしてきたように、僕たちは多くの開発内容をコミュニティーに返し続けていくつもりだ。

買収が Acquia の顧客に与える影響

Acquia のカスタマー ベースは数字とサイズの両面で急速に成長してきた。僕たちは今回の買収を利用して顧客のみなさんにより多くの製品オプション、より多くの専門家を提供する予定だ。内容は次のとおり:

  • Acquia Network に属する機能として、自動化された、セルフサービスのセキュリティー ツールを提供する。
  • 両社(Cyrve と GVS)のサービスを Acquia の Professional Services グループに統合する。既存のコンサルタントたちをトレーニングすること、そして、新しい従業員を迎え入れることの両方を通じて、僕たちはセキュリティーとミグレーションの両チームを拡大していくことになるだろう。
  • 両社の社員研修の内容を Acquia の研修教材に組み入れ、Drupal のセキュリティーとミグレーション両方の専門家をずっと多く養成できるよう支援する。

これらはどれも Acquia の顧客にとっていいことだが、Drupal コミュニティー全体にとってもいいことだ。それは、コミュニティーのなかにもミグレーションやセキュリティーの専門家がもっと必要だからだ。

買収が Acquia のパートナーに与える影響

Acquia のパートナーたちの多くは Drupal で Web サイトを構築しているが、自社内にセキュリティーやミグレーションの専門家を擁しているところはほとんどない。Cyrve と GVS と一緒になることで僕たちはそれぞれの顧客を合わせた全体にまとめてアプローチできるし、より充実したサービスを提供できる。そうすると、パートナーたちはさらに大きなプロジェクトを目指せるようになるわけだ。

端的に言えば、両社の買収は Drupal にとっても Acquia のパートナーや顧客にとっても利益になると僕は信じている。ただ、これらの買収で Acquia は Drupal に関する才能のある人材を大量に「吸い上げて」しまう(独占に近づく)のではないかと懸念を表明する人々もいる。その懸念は今回の買収に限ったことではないので、また別のブログ記事として扱うことにした。タイトルは「Acquia は Drupal の有能な人材をみんな吸い上げてしまうのか?」だ。

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