heise open:プロジェクトの構成はどういう風に発展させているのですか?

バイテルト: Drupal に対するわたしの仕事はいろいろあります。次期バージョンの Drupal にどの機能を取り入れるかを決めること、展望を作り上げる(具体的な方向性を描く)こともそうです。Drupal コミュニティーのなかのいろいろなグループとも共同作業を進めています。それは高まってくる要求レベルと増大する開発者数に合わせてプロジェクトを拡大していくためです。

現在、わたしたちの成長を妨げている分野があるので、わたしはそこにもう少し(組織的な)構造を確立しようとしています。いちばん初めのころはまだすべて自分でできましたが、そのうちにいろいろと人に委任するようになりました。わたしたちにはある程度、下部構造(インフラ)と意思決定プロセスが必要です。最近、わたしたちは「ガバナンス スプリント」という催しでひとつのプランをまとめ上げてコミュニティーに提案したところです。それをこれから実行に移さなくてはなりません。それに伴って Drupal の特定部分を担当するプロジェクト リーダーをさらに何人か選出する必要があります。

(一般論として)数多くのプロジェクトが大きくならないのは自らのサイズを調整していけないからだと思います。そうしたことがあるとフラストレーションがたまり、人々がプロジェクトを去っていくことになります。もちろん、わたしたちにもフラストレーションはありますが、これまでの数年間で自分たちはいい仕事ができたと思っています。

heise open:これから数年、Web はどう発展していくと見ていらっしゃいますか?また、そこで Drupal が貢献できることは何でしょうか?

Mobile web traffic statistic
参考リンク 1:モバイル Web トラフィックの統計データ(インフォグラフィック)

バイテルト: それは実にはっきりしていると思います。モバイルのインターネットは大きなテーマです。わたしたちが 12 年前、Drupal を始めたときにはモバイル機器というものがありませんでした。3 年前でさえ、モバイル デバイスは言うに値するほどのトラフィックを生じさせていなかったわけです。それが今、グングンと変わっています。モバイル インターネットは従来のデスクトップ向け Web よりも大きくなるだろうと予測する人たちもいます。

ですから、わたしたちは Drupal(プロジェクト)を「再起動」し、モバイル Web をコアのなかでどう位置づけるのか考え直さなくてはなりません。1 年半前に開かれた DrupalCon Chicago でわたしはこう言いました:「もし、今日 Drupal を最初から作るとしたら、まずモバイル デバイスのために開発するだろう。デスクトップはそのあとだ」。モバイル Web アプリケーションにとって Drupal が最高のフレームワークのひとつになるよう、わたしたちは開発を進めていこうとしています。

CMS WIRE: What is Web Engagement Management?
参考リンク 2:英語サイト。CMS WIRE: What is Web Engagement Management?

もうひとつの流れは、ゆるくつながった統合を通じて異なるシステム同士を結び付けることでしょう。みんな、最初は静的なページを作っていたわけです。それから、そのページの機能を拡張してソーシャルなインタラクションを加えました。それはもう、すごいことでした。いろいろとコメントを付けたり、それについて議論したり、投票したり、ツイッターや Facebook を統合したりといったことです。わたしには現在のところ、次のステップは「Web エンゲージメント マネジメント」であるように見えます。ユーザー行動の分析とパーソナライゼーション参考リンク 3:ウィキペディアを使って(サイトの)訪問者に対してさらによい結果を提供しようとするものです。それを達成するための方法は Web サイトを外部のサービス、たとえば Salesforce、SugarCRM、または他の CRM システムと連携させることです。高度な分析システムは、訪問者が興味を抱くコンテンツを訪問者に薦めることができます。(次のページへ)