去年の夏、僕はガートナー ハイプ サイクルと、そこから導き出されるDrupal ムード サイクルとを結びつける形で Drupal のリリース時期のプランニングについて自分がどう考えているかをブログに書いた。
ブログ記事で示したそのリリース タイムラインは Drupal 7 が「生産性の高原(Plateau of Productivity)」に達してから 18 カ月後というものだった。そのころにはもう Drupal 7 が成熟しているので Drupal 6 の開発を続けるのはほとんど意味がないと思われる。
記事を書いたとき、僕は Drupal 7 が「生産性の高原」に達するまでには 6 ~ 9 カ月かかる気がすると言った。ほとんど 9 カ月たった今日、僕たちは、あらゆる基準で見て、そこ(生産性の高原)にいるところだと思う。ライブの(公に稼働している)Drupal 7 インストレーションは 300,000 を超えている。それは報告されている Drupal サイト全体の 50 % 近くにあたる。(利用者数が)トップクラスの Drupal モジュールはすべて Drupal 7 用リリースがあり、その大多数は安定リリース版か、リリース候補版だ。
「生産性の高原」に達したということは、僕が(catchと相談したうえで)安心して Drupal 8 のリリース タイムラインを発表できるということでもある。余計な話はこれくらいにして、Drupal リリース サイクルのうち、これからの期間は次のように分けられる。
タイムライン
- 2012 年 12 月 1 日:フィーチャー フリーズ(機能追加の凍結)。(これ以降は)新しい機能の追加は許されない(具体的に例外指定された場合を除く)。(作業の)フォーカスは API と UI の整理、そして既存機能を磨き上げることに向ける。
- 2013 年 2 月 1 日:コード フリーズ。(ここからは)バグの修正と動作の安定化にフォーカスする。API は変更不可。バグ フィックス、リリース準備、重大(critical)なバグの数をゼロまで減らすことに照準を合わせる。
- 2013 年 8 月(DrupalCon ヨーロッパ 2013):Drupal 8 リリース。野生のなかへ解放(ジョーク)。世界各国でファンファーレ(^-^)。
これは Drupal 8 が 18 カ月先に来ているという意味だ。今こそ Drupal 8 コア開発を高いギアへシフトする時だ!
バグ修正に設定された 6 カ月という枠組みは、Drupal 7 でバグ フィックスに 18 カ月も費やす羽目になったのと比べれば、はるかに短い。しかし、期待できるのは、今回のリリース(Drupal 8)で僕たちが問題点の数に上限値を設けたことで、このプロセスを Drupal 7 のときよりも大きく短縮できるだろうということ。つまり、(Drupal 7 のときのように)300 ほどもある問題点をゼロに向けて減らしていくのではなく、15 程度からゼロへと持っていくわけだ。
また、このタイムラインが意味するのは、あったらいいなと思う Drupal 8 イニシアチブ、あるいは Drupal コアに採り入れたい特定の機能なり修正したいことなりにしても、それらを実現させるためのタイミングは今だということだ。Drupal コアの開発にはまだ協力したことがないが、やってみたいという人はコア オフィスが開いている時間帯に IRC でコンタクトをとるか、DrupalCon Denver で仲間に加わってほしい。DrupalCon では、さまざまな Drupal コア イニシアチブでほかのスプリントもたくさん開かれるだろう。それに、いつでも自分で(イニシアチブを)始めることだってできる!
じゃあ、デンバーで、そして issue queue で会おう!(^-^)