Drupal 8 の多言語対応

2011 年 5 月 9 日 - 19:40 -- ドリース バイテルト

英語は昨今のビジネスにおける共通語だが、自分にとって英語は第一の言語だという人々は世界人口の 5 パーセントほどしかいない。そして、70 パーセントを超える人々は英語を全く話さない。英語が広く知られているヨーロッパでさえ、みんな自分たちの言語のツール群を尊重している。数週間前、あちらで Drupal についてのプレゼンをいくつか行ったとき、僕はそれをじかに体験した。僕が受けた質問のほとんどはローカライゼーションとインターナショナライゼーションについてだった(“localization”は最初の“l”から最後の“n”までの間に 10 文字あるので Drupal コミュニティーでは略して“l10n”と呼ばれる。同じ理由で“internationalization”は“i18n”)。言語はアクセシビリティーの問題であると同時にユーザー エクスペリエンスの問題でもある。この分野に強いことは Drupal が成功を収めるのには極めて重要だ。この理由から、僕は「多言語アクセスmultilingual access」を Drupal 8 の公式イニシアチブにすることに決めた。イニシアチブ オーナーはガボール ホイツィGábor Hojtsyだ。

僕たちはすでに Drupal 7 でも(多言語化の)長い道のりを歩んできたが、まだまだ改良できることはわかっている。複数言語で Drupal サイトをつくるには必要な拡張モジュールがまだ多すぎるし、インターフェースも十分に直感的ではない。僕の夢は「複数言語のサイトを構築したい人にとって Drupal 以外の選択は考えられない」というところまで行くことだ。(この分野を)ガボールが担当してくれることで、みんな Drupal 8 でまた大きく前進できるだろうと僕は確信している。

長い経験のあるドゥルーパリスト(Drupalist)なら、ガボールの名前を聞けばすぐにわかるだろう。彼は 8 年前 Drupal コミュニティーに加わって以来、Drupal コアの開発と並んで 70 を超えるモジュールの開発にも携わった多産多作な開発者だ。Drupal 6 では僕のコーメンテナー(プロジェクトの副リーダー)でもあった。Drupal 7 ではインターナショナライゼーション(国際化)とローカライゼーション(地域化)の問題に的を絞って貢献したコントリビューターでもある。また、localize.drupal.org を支える駆動力のひとりでもあり、ほかにも挙げようと思えばまだまだある。要するに、Drupal の多言語機能がすでに驚くほど頑丈にできているのはガボールによるところが大きいということだ。その作業を続行することに彼が同意してくれたのでとても喜んでいる。

ガボールが加わったことで、Drupal 8 プロジェクトで進行するイニシアチブは4つになった。他のメンバー(オーナー)は、ジェフ バーンズ(デザイン)グレッグ ダンラップとデイビッド ストロース(共に設定マネージメント)ラリー ガーフィールド(Web サービス)だ。みんな傑出した Drupal 歴の持ち主で、すでに見事な仕事をこなしてくれている。Drupal 8 を素晴らしいものにしようとコミュニティーが意欲を注ぐ、その方向性の舵(かじ)をとってくれているのだ。

Acquia のエンジニアたちにはそれぞれ、Drupal コミュニティー内で参加しているプロジェクトがある。彼らには(勤務時間の)15% のコミュニティー タイムが与えられている。ガボールはその時間を使うことになるだろう。また、具体的な質問について Acquia の「デザインおよびユーザー エクスペリエンス」チームと相談することもできるだろう。

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