Spark ディストリビューションは、オーサリング エクスペリエンスにおける最先端のさまざまな改良をまとめてプロトタイプ（原型、モデル）を作るための Drupal 7 ディストリビューションだ。それらの改良を Drupal 8 コアに取り込むよう提案できたらと僕たちは願っている。去る 5 月に Spark を発表して以来、インライン編集機能、レスポンシブ レイアウトの構築、モバイル管理、それぞれのプロトタイプのビデオを紹介してきた。他の Spark チーム メンバー（アンジェラ バイロン、ケヴィン オリーリー、ウィム リーアズ、ガボール ホイツィ、ジェスィー ビーチ、プレストン ソー、ダルメシュ ミストリー（順に Angela Byron, Kevin O'Leary, Wim Leers, Gábor Hojtsy, Jesse Beach, Preston So, Dharmesh Mistry））も、それらの設計を現実化するために頑張ってきた。
ここ数か月の間に大きな進展がたくさんあった。そして、Spark 7.x-1.0-alpha4 のリリースによって、Spark は今やコミュニティーでのテストを行う用意ができた！Spark を構成しているそれぞれのモジュールやテーマは独立した別々の貢献プロジェクトであり、そのまま既存のサイトに統合できる。今回のアルファ リリースに含まれているものは以下のとおり。
- インライン編集機能：Edit モジュールのおかげで実現。ノード内をクリックし、ツールバーの「View / Edit」ボタンを切り替え、希望するフィールドをどこでも直接クリックすると、そのコンテンツを編集できる。これまでのようにバックエンドのページに回されずに済む。
- 本当の WYSIWYG：Aloha Editor のおかげで実現。このインライン エディターを通して、使用しているテーマ自体のスタイリングで自分のリッチ テキストを編集しよう。画像とキャプション（見出し）も機能するし、サイト内にあるコンテンツへのリンクを直接、設定することもできる。また、ベーシックなレベルだが、トークン化されたストリングに対するサポートもある。
- Responsive Layout Builder：Layout、Gridbuilder の両モジュールのおかげで実現。別々のブレークポイント（モバイル、タブレット、デスクトップなど）用にレイアウトを設定できる。また、それらがスナップするグリッドを独自に定義することさえ可能だ。これらのテクノロジーのレイヤーは Panels の上に位置しているが、ほかのレイアウト ソリューションとも統合できるように設計されている。
- 新しい管理用テーマ（admin theme）：Ember で実現。これは、Drupal コアの管理用テーマ Seven を使ってスタイリングすること、そして、モバイル デバイスをよりよくサポートするために Admin モジュールを統合すること、その両方にすてきな光明をもたらしてくれる。より具体的に「肉付け」されたモバイル ツールバーと管理用のエクスペリエンスが近いうちに実装される予定だ。
ダウンロードしてインストールすることなしにこのディストリビューションを試してみたい場合は、http://demo.sparkdrupal.com/ にある僕たちのデモ サイトをチェックしてほしい（注：このサイトはすべての人に対してオープンになっているので、ときによっては（外観などが）少しおかしく見えることもあり得る。本当に不具合があるようなときは少し時間をおいてからもう一度チェックしてみてほしい）。
やるべきことはまだたくさんある。それでも、このリリースによって、Spark の方向性、そして、僕たちが Drupal 8 コアに取り込むよう提案できたらと思っている内容をよく理解できるのではないかと期待している。フィードバック（意見や感想）、バグ レポート、そして、Spark issue queue でのパッチは大歓迎だ。
来週の DrupalCon Munich では、こうしたいろいろなもののうちのいくつかをどうやったら Drupal 8 コアに移せるかという点について是非、話し合いたいと思っている。その作業に関してプランを立て、ブレインストーミングをするため、DrupalCon Munich ではさまざまな Spark セッションや BoF を用意してある。