Acquia:2011 年の回顧(前半)

2012 年 1 月 5 日 - 20:59 -- ドリース バイテルト

(この記事は長いので前半と後半に分けました。)

また、年に一度の時がやってきた。恒例のように 2011 年の Acquia の業績を振り返ってみよう(2009 年2010 年の回顧記事を読むこともできる)。

2011 年は Acquia が丸1年、業務を行った年(収益を上げる年)としては、やっと3年目になったところだ。(いろいろなことが)本当にギッシリと詰まった年だった。僕たちの「製品戦略と展望」を実行するところから始まり、会社全体でカリブ海へ旅行をし、「フォーブズ」誌から「アメリカで最も有望な企業トップ 100」の1つに選ばれた。2011 年は Drupal と Acquia のどちらにとっても驚くべき成功でいっぱいだった。

この記事では Acquia が 2011 年に成し遂げたことを少し詳しく紹介しようと思う。僕たちの業務全体および製品、Drupal コミュニティーとの関係、そして、社内での僕の役割について検討してみるつもりだ。Drupal が 2011 年にはどうだったかという考察は別のブログ記事を書いてある。

Acquia のビジネスに関する回顧

僕たちが 2011 年に経験したのは、記録的な契約件数、そして(起業時から)継続している「勢い」だった。11 四半期連続で収益増、計画を上回る成果をもって1年の終わりを迎えた。

Acquia はパートナー企業と共に(共同で)、大きく有名な組織と交わす契約がますます増えた。たとえば、PaypalTwitterアル ジャジーラ世界経済フォーラム米国下院などだ。ほかにもたくさんある。

いちばん大事なことだが、顧客満足度(カスタマー サティスファクション)と契約の更新が引き続き増加した。それも、同業の他社と比べてもトップクラスだ。顧客数が急速に増加したことで、(発行する)チケットも今や毎月、数千という数まで急増している。満足度を高いレベルに保ちながらこれらのチケットを供給するのは難しいときがあることは身をもって知った。そこから得た結論として、僕たちは、カスタマー オンボーディング(新規顧客が Acquia のサービスを使いこなせるようにするための情報提供や講習)の流れ、カスタマー コミュニケーション、アカウント管理を大きく発展させた。また、引き続き、優秀な人々をたくさん雇用することにも力を注いだ。

いろいろなことがうまくいったので、僕たちは販売(営業)とマーケティングを促進することに決め、2011 年の半ば、資金をさらに調達した。資金調達の第4ラウンドでは 1500 万ドル(本記事執筆時約 11 億 5 千万円)を調達した。これまでの投資家たちも今回のラウンドに参加した。それは(Acquia に対する)彼らの信頼を確約するものだ。また、今回は彼らに Tenaya Capital も加わった。

2011 年1月、僕たちは Acquia Europe も始動させ、そこでも目標を超える成果を上げた。今やヨーロッパには約 20 名の人員がいる。

結局、僕たちはフルタイム従業員が 80 名の会社から 175 名へと成長し、契約件数は 230% に増えた。2011 年も半ば近くになると、それまでのオフィス スペースではもはや僕たちを収容しきれなくなってきた。で、8月末、はち切れて、もっと広い、3,250 平方メートルのオフィスへと引っ越した。そのオフィスでもいろいろと楽しいことがあった。

スタッフの増強はうまくいっているが、その反面、僕たちが引き続き成長していくためには、質の高い応募者たちが十分いるようにすることが最大の課題だ。僕たちはその現状を変えようとしている。パートナー企業と共に Acquia は世界中で 200 のトレーニング クラスを開いた。また、Acquia U という社内トレーニング プログラムを始動させた。それは、選び抜かれたエントリー レベルの新社員(新卒および転職者)をまとめて「現場」での教習を行うためだ。

僕たちは、Drupal コミュニティー内の有能な人々が興(おこ)した会社を買収することによっても Acquia を成長させた。今年(2011 年)Acquia は2つの Drupal 企業を買収した。それは、セキュリティーに特化した Growing Venture Solutions、そして、ミグレーション(システム移行)専門の Cyrve だ。これらの買収を実施したいと思ったのは、それが Drupal コミュニティーにも、僕たちのパートナー企業にも、そしてカスタマーのみなさんにとってもプラスになる「ウィン・ウィン・ウィン」の状況を生み出すからだ。

Acquia 製品に関する回顧

プロダクトの面でいえば、Acquia は僕が 2011 年の初めに概略を挙げた「製品戦略と展望」に沿ってすべてを達成した。もし、まだ Acquia の製品にはなじみがないという場合は、状況を理解するためにまず、その記事を読むといいだろう。

僕たちは Acquia Network を再始動させた。そして、新しい InsightSEO Grader tools という独自のサービスを2つ、Acquia Network に加えた。これらは、セキュリティーおよびパフォーマンスに関するアクティブ サイト テスティング、そして、SEO ベスト プラクティスをみなさんのサイトすべてに提供するものだ。

独自のサービスを加える一方でパートナー企業からの補完的なサービスやツール群も追加した。New Relic(パフォーマンス モニタリング)、Drupalize.meLullabot 社制作の 200 時間を超える Drupal ビデオ トレーニング)、Blitz.io(ロード テスティング)、Utest(クラウド ソーシングによる手動テスティング サービス)、Mobify(Drupal サイトのモバイル提供)などだ。そして最後に僕たちは Acquia Library も構築し直した。これは Drupal と Acquia のすべてに関するナレッジ ベースだ。すべてを組み合わせてみると、僕たちは Acquia Network を大幅に改善したことになる。

Managed Cloud のシングルサーバー バージョンである Dev Cloud もスタートさせた。今や、Drupal で調整された僕たちのクラウド プラットフォームは1カ月に 70 テラバイトを超えるデータを送信し、ページ ビューは(月間合計)40 億を超えている。2010 年の末、僕たちのオペレーション チームが Amazon EC2 を通じて管理しているサーバーの数は 100 だった。それが 2011 年に入って 500 になり、今や 2,500 を超えた。

重大なマイナス要素だったのは、すでによく知られている、2011 年4月に起きた Amazon のシステム障害だ。あの時、数百社あった企業カスタマーのうち、影響を受けたのは2社だけだった。それでも、僕たちは、将来のシステム障害を制限するためのロードマップをかなり大幅に変更した。そのあとも、Acquia Cloud にマルチデータセンター フェイルオーバー(大陸間のマルチ AZavailability zoneおよびマルチリージョンの両方)などの機能を加えた。僕たちのサービス品質保証契約(SLA: Service Level Agreement(の質)を向上させ、Amazon 自体が提供しているレベルを超えるためだ。

2011 年は DrupalCon シカゴの際に Drupal Gardens を商業的に始動した年でもあった。始動に至る前、新しい Views 3 ユーザー インターフェースのデザインとエンジニアリングにはかなりの時間を費やした。それでも、始動して以来、要望が寄せられた多くの機能が加わり、Drupal Gardens には今や 75,000 を超える Drupal 7 サイトをホスティングしている。その中には本当に大きい企業カスタマーが何社もいるのだが、まだその話をすることはできない。

ほかにもいろいろなことをやった。Acquia.com を Drupal 7 で再始動したし、Drupal 7 と Drupal 8 のサポートも Acquia Dev Desktop に加えた。そして、Acquia Commons と COD を両方とも改良した。

全体として、2011 年は Acquia のエンジニアたち、プロダクト マネージャーたちにとって非常に生産的な年だった。

Acquia:2011 年の回顧(後半)

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